2025年4月に放送開始となった『TO BE HERO X』は、ストーリーや映像表現だけでなく、“音楽”でも高い評価を得ている話題作です。
本作ではメインキャラクター10名にそれぞれ劇中歌が用意されており、ヒーローの個性やエピソードに沿ったテーマ曲が物語をより深く、ドラマティックに彩ります。
この記事では、キャラクターごとの主題歌(劇中歌)と、その制作に関わった音楽スタッフ・アーティスト陣を一覧でご紹介します。
- 各キャラクターに用意された劇中歌とその楽曲の魅力
- 制作に参加した作曲家・アーティスト陣の豪華な顔ぶれ
- 音楽を通して描かれるキャラの感情や物語の深層
- X編|「New Type of Hero」 by Chatterbox
- ナイス編|「PARAGON」 by Benjamin & mpi
- 魂電編|「NEON RAIN」 by Eliana
- トラ編|「SPARX」 by Robert Taira Wilson
- ラッキーシアン編|「Take Off」 by Lucky Cyan
- ロリ編|「Candy Mountain」 by 國土佳音
- ジョニー編|「growL」 by J.Rio
- 黙殺編|「Because of you」 by Kris Roche
- 梁龍編|「Scar」 by AK刘彰
- クイーン編|「Queen of the stars」 by R!N
- TO BE HERO X キャラ別劇中歌&音楽スタッフまとめ
X編|「New Type of Hero」 by Chatterbox
作詞・作曲:Griff Clawson|監督Haolinの特別コメントも
『TO BE HERO X』の主人公・Xの劇中歌「New Type of Hero」は、アメリカのアーティストGriff Clawsonが手がけた、グローバル色豊かなポップ・ロックナンバーです。
現代的で軽快なビートと、遊び心あふれる英詞が印象的で、Xの“型破りでミステリアスなキャラクター”を絶妙に表現しています。
監督のHaolinはこの楽曲について、
「Xは真面目に見えて実は天然。そんな彼の“絶妙なズレ”を音楽で描きたかった」とコメント
しており、作品全体のトーンを象徴する一曲となっています。
ユーモアと軽快さで“新たなヒーロー像”を音で表現
この楽曲の最大の魅力は、Xというキャラクターの“掴みどころのなさ”と“飄々とした強さ”を音で見事に表現している点です。
テンポの良いメロディとコーラスが、彼の戦闘スタイルや人との距離感を反映しており、まるで“音楽がキャラそのもの”になっているかのような完成度。
シリーズ通して聴くことで、Xの心情や内面の変化までもが感じ取れる仕掛けになっており、楽曲単体でも、物語の伏線としても機能する極めて秀逸なキャラソングです。
ナイス編|「PARAGON」 by Benjamin & mpi
作曲:澤野弘之|王道ヒーローの正義と孤独を表現
正統派ヒーロー・ナイスの劇中歌「PARAGON」は、澤野弘之による重厚なサウンドと、Benjamin & mpiによる圧巻のボーカルが融合した力強い一曲です。
「PARAGON=模範」というタイトル通り、誰よりもまっすぐで、正しさを信じる男・ナイスの理想と苦悩がダイレクトに歌われています。
ヒーローとして崇められながらも、人知れず抱える孤独と責任感を音楽で丁寧に表現しており、“胸を張る背中の重さ”を感じさせるバラードロックとなっています。
CGベースの映像との融合が見どころ
この曲が使用されるバトルシーンでは、フルCGによるダイナミックな戦闘描写が展開されます。
ナイスの動きに合わせてシンクロする音楽とビジュアルは、まるで“楽曲が彼の戦意そのもの”であるかのような没入感を生み出します。
特にサビ直前の静寂からの爆発的ビートは、ナイスの感情が決壊する瞬間を音と映像で完全にリンクさせた名シーン。
まさに、ヒーローの覚悟を“聴かせる”演出です。
魂電編|「NEON RAIN」 by Eliana
作曲:ケンモチヒデフミ|オーケストラ編曲:馬瀬みさき
クールでミステリアスなキャラ・魂電(コンデン)に用意された劇中歌「NEON RAIN」は、水曜日のカンパネラでも知られるケンモチヒデフミが作曲を手がけ、馬瀬みさきによる繊細なオーケストラアレンジが加わった異色の楽曲です。
全体的に抑えたテンポと無機質な電子音が特徴ながらも、心の奥にある感情を徐々に浮き彫りにしていく構成が、魂電というキャラの心理を見事に表しています。
無口で表情の少ない彼の“心のざわめき”を音楽で語る、本作でも特に内省的で印象的な一曲です。
静かな重厚感が心を揺さぶる一曲
楽曲の中心を担うのは、Elianaの透明感あるボーカルと、淡々と降るように重ねられたストリングスの響き。
その静けさの中にある緊張感は、魂電が抱える“制御された怒り”や“過去の罪”といった背景を連想させます。
まるで夜の都市に降る冷たい雨のように、聴く人の心に静かにしみ込んでいく名曲です。
この曲が流れるシーンでは、画面の色彩までもが抑えられ、音と映像による“沈黙の感情表現”が極まっています。
トラ編|「SPARX」 by Robert Taira Wilson
作曲:KOHTA YAMAMOTO|昭和のオヤジ魂が光る熱い一曲
“頼れるオヤジヒーロー”トラの劇中歌「SPARX」は、進撃の巨人 The Final Seasonでも知られるKOHTA YAMAMOTOが作曲を担当。
ボーカルは、イギリス出身のシンガーソングライターRobert Taira Wilsonが熱く歌い上げ、和洋折衷のサウンドが“昭和の渋さ”を絶妙に表現しています。
重厚なギターとドラムが支える中、火花を散らすような情熱が詰め込まれた、まさに“男気全開”の一曲です。
父性と義理人情を音楽で描く
トラは他の若手ヒーローたちと比べて年長で、言葉よりも行動で語る“昭和的ヒーロー像”を体現しています。
「SPARX」は、そんな彼の義理・人情・信念を、サウンドと歌詞でストレートに伝える一曲となっています。
特に、“火花(SPARX)”というタイトルには、トラが戦場で見せる熱と哀愁、そして世代を超えて信頼される理由が込められており、聴けば自然と胸が熱くなる構成です。
曲のラストにかけてのギターソロは、“背中で語る父のような強さ”を感じさせる名場面と完全にリンクし、視聴者の涙腺を刺激します。
ラッキーシアン編|「Take Off」 by Lucky Cyan
作曲:DAIKI(AWSM.)|全楽器演奏のライブ感が魅力
天性の運の良さでトラブルすら味方につける“ラッキー系ヒーロー”・ラッキーシアンの劇中歌「Take Off」は、作曲家DAIKI(AWSM.)が全楽器を自身で演奏した、超ハイテンションなロックナンバーです。
バンドサウンド全開のアレンジが、ラッキーシアンの軽快さ・陽気さ・突発性を完全に再現しており、聴くだけでテンションが上がる楽曲に仕上がっています。
キャラクター本人が歌うセルフボーカル仕様で、ライブ感あふれる空気が映像と絶妙にマッチしています。
前向きになれる“幸運”のサウンド
「Take Off」は、ラッキーシアンの代名詞ともいえる“根拠のないポジティブさ”と“圧倒的引きの良さ”をポップで明るく描いた1曲です。
歌詞には「外れても当たりだ!」「飛び込め、根拠なし!」といった彼らしいフレーズが散りばめられ、聞いているだけで元気が出る“お守りソング”としても支持を集めています。
映像面でも、ジャンプ、スケボー、くじ引きといったアクションと一体化しており、ラッキーな人生を全力で楽しむヒーローの姿が爽快に描かれています。
落ち込んだ時こそ聴きたい、まさに“音のラッキーチャーム”ともいえる一曲です。
ロリ編|「Candy Mountain」 by 國土佳音
作曲:睦月周平|かわいさと強さのギャップを表現
一見無邪気な“お菓子大好き少女”ロリだが、戦闘では鋭いセンスと鋼の意志を見せる彼女の劇中歌「Candy Mountain」は、睦月周平によるポップでありながら奥深い楽曲です。
歌唱は國土佳音(こくど・かのん)が担当し、その無垢な声色と曲中の急激なテンポチェンジが、“子どものような外見と大人びた内面”というロリの二面性を巧みに表現しています。
まるでキャンディのように甘く、しかし噛むと芯がある——そんな印象を音楽から受け取れる、意外性とギャップの効いたキャラソングです。
軽快かつ重厚なメロディ構成に注目
曲の前半はキラキラしたシンセポップ調で始まり、お菓子の国を旅するようなメルヘンな世界観が広がります。
しかし中盤以降、ストリングスとパーカッションが加わり、戦いの場に立つ“ヒーローとしての決意”を感じさせる重層的な構成に変化。
この大胆な曲展開は、ロリというキャラの成長や変化、そして裏に秘めた悲しみすらも暗示しています。
視聴者の中には「最初はかわいいだけだと思っていたのに、気づけば泣かされていた」という声も多く、ギャップ萌え×音楽演出の極致ともいえる1曲となっています。
ジョニー編|「growL」 by J.Rio
作曲:馬瀬みさき|人獣一体の絆を描く壮大な一曲
獣人ヒーロー・ジョニーの劇中歌「growL」は、作曲家・馬瀬みさきによる壮大なオーケストラバラード。
人間でも獣でもない“境界に生きる存在”としてのジョニーの苦悩や誇り、そして仲間との絆を、スケール感のあるメロディと重厚なアレンジで見事に描き出しています。
タイトルの「growL」には、吠える(growl)と成長(grow)のダブルミーニングが込められており、彼の生き様と信念を象徴する楽曲です。
シンガーの温かい歌声が胸に響く
ボーカルを担当するJ.Rioは、ソウルフルで包み込むような温かさが特徴の男性シンガー。
その歌声は、孤独を抱えながらも他者を守ろうとするジョニーの優しさを丁寧に表現しています。
とくにサビでの「君を傷つけたくない」というフレーズは、彼の本質が滲み出るような名ラインとして、多くの視聴者の心に残りました。
戦闘シーンでは勇ましく、日常では穏やかに——音楽がジョニーの“2つの顔”を巧みに描き分ける、感動必至の1曲です。
黙殺編|「Because of you」 by Kris Roche
作曲:深澤秀行|静寂の暗殺者の内面を音で語る
無口で感情を表に出さない暗殺者ヒーロー・黙殺(もくさつ)の劇中歌「Because of you」は、深澤秀行による繊細で心に沁みるバラード。
静寂の中に強さを宿す彼のスタイルを、ピアノとストリングスを主体にした静謐なサウンドで丁寧に描いています。
暗殺者という孤独な職務に徹しながらも、人を“信頼”したいという矛盾と苦しみが、音楽に乗せて静かに語られる1曲です。
“言葉なき想い”を歌声に乗せて
歌唱を務めるのは、アメリカ出身のシンガーソングライターKris Roche。
彼の柔らかくも芯のある声が、“語らない男”の心の奥底にある想いを丁寧にすくい上げ、まるでモノローグのように響きます。
「Because of you」という繰り返されるフレーズは、誰かの存在によって黙殺が変わっていく兆しを暗示しており、静かな感動を呼びます。
この曲が流れる場面では、一切のセリフがなく、音楽と表情だけで感情が語られるという演出がなされ、映像と音が“静かに泣かせる”名シーンとなっています。
梁龍編|「Scar」 by AK刘彰
作曲:DAIKI(AWSM.)|ラップ×バイブスが炸裂
アウトサイダー系ヒーロー・梁龍(リャンロン)の劇中歌「Scar」は、DAIKI(AWSM.)による重低音ベースのトラックと、中国のラッパーAK刘彰のフロウが融合したアグレッシブな1曲です。
怒り、復讐、孤独、誇り…様々な感情が混ざり合うこの楽曲は、梁龍が背負う“過去と傷”をまっすぐにぶつけたような強烈なインパクトを放ちます。
言葉数の多いラップと重いビートは、従来のアニメ劇中歌とは一線を画す斬新な構成で、梁龍というキャラクターの“異端性”を象徴する音になっています。
アウトサイダーの激情が刻まれた楽曲
「Scar」は直訳すれば“傷跡”。
このタイトル自体が、梁龍の人生そのものを象徴しており、リリックの中では自らの傷を誇りと呼び、信頼されるヒーローへの道を必死に模索する姿が描かれています。
「信じた仲間に裏切られても、自分は信じる側でありたい」というメッセージは、彼の“心の叫び”として多くの視聴者に刺さりました。
映像もグラフィティ調やストリート感のある演出がなされ、“ヒーローらしくないヒーロー”という梁龍の本質を最大限に引き立てています。
クイーン編|「Queen of the stars」 by R!N
作曲:髙田龍一(MONACA)|高潔さと少女らしさを両立
知性と品格を備えたエレガントなヒーロー・クイーンの劇中歌「Queen of the stars」は、MONACA所属の髙田龍一が手がけた、荘厳で幻想的なバラードです。
ボーカルは力強くも透明感のある声が魅力のR!Nが担当。
凛とした旋律と、きらめくようなストリングスによって、クイーンという存在の“気高さ”と“揺れる少女心”が同時に描かれています。
戦う女王の強さと儚さを表現
「Queen of the stars」は、タイトルの通り“星の女王”というイメージを軸に、絶対的なリーダーとしての責任と孤独をテーマにしています。
歌詞には「誰より高く、でも誰より寂しく」という一節があり、彼女が抱える“強さの裏側”にある儚さや傷を深く感じさせます。
クライマックスで流れるこの曲は、クイーンの過去や決意を視聴者に強く印象づける感動のシーンをさらに引き立てます。
気高く、美しく、そして壊れそうなほど繊細な彼女の魅力を、音楽が余すことなく映し出している名曲です。
TO BE HERO X キャラ別劇中歌&音楽スタッフまとめ
キャラの魅力を最大限に引き出す楽曲群
『TO BE HERO X』の劇中歌は、キャラクターの個性・バックボーン・内面を音楽で直接描くという画期的なアプローチが採用されています。
各楽曲は単なる挿入歌ではなく、キャラクターの成長や感情の転機に寄り添う“もうひとつの台詞”として機能。
音楽を通して彼らの魅力をより深く知ることができる点が、多くのファンの共感を呼んでいます。
澤野弘之はじめ超豪華作曲陣が集結!
音楽制作陣には、澤野弘之を中心に、KOHTA YAMAMOTO、ケンモチヒデフミ、DAIKI(AWSM.)、髙田龍一(MONACA)など、ジャンルの異なる一流クリエイターが集結。
それぞれがキャラクターの特徴を最大限に引き出すように作られた楽曲は、まさに“音楽で魅せるキャラ演出”の極致とも言える仕上がりです。
キャラごとの音の世界観の違いを楽しめるのも、この作品ならではの贅沢です。
サントラ・配信リリース情報も見逃せない
各劇中歌はすでに各種音楽配信サービスでフルバージョンの配信がスタートしており、ファンからは「ヘビロテしてる」「映像がよみがえる」と高評価が続出中です。
さらに、サウンドトラックCDのリリースも2025年夏に予定されており、BGM・劇伴も含めた“音で楽しむTO BE HERO X”の世界が堪能できます。
今後はライブイベントやコラボステージなど、音楽展開の広がりにも注目です。
- キャラ別に用意された劇中歌の詳細と音楽演出
- 作曲家・アーティスト陣による超豪華な制作陣容
- 歌詞・曲調から読み解くキャラの内面や物語性
- Xや黙殺など各ヒーローの個性を“音”で体感
- 劇中歌がセリフの代わりにキャラを語る演出
- 各楽曲はすでに配信中、サントラCDも夏に登場
- “聴いて味わうTO BE HERO X”の魅力が満載
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