『俺だけレベルアップな件』第17話「This is What We’re Trained to Do」—ハイオークの襲撃と絶体絶命の戦場

『俺だけレベルアップな件』第17話「This is What We’re Trained to Do」では、水篠旬が急遽ハンタース第二攻撃隊に荷物持ちとして同行することになります。

しかし、ダンジョンに足を踏み入れた瞬間、旬は不吉な気配を感じ取ります。その予感は的中し、彼らの前に突如としてハイオークの大軍勢が現れるのです。

圧倒的な戦力差に、満身創痍になりながらも撤退を試みる攻撃隊。しかし、彼らが出口へと戻ると、そこには想像を絶する事態が待ち受けていました──。

旬はこの危機をどう乗り越えるのか？本エピソードの見どころを詳しく解説します！

ハンタース第二攻撃隊への参加—予期せぬ戦場

水篠旬は、S級ハンターとして正式に認定されたものの、一般にはまだ無名の存在だった。

そんな彼が、ハンタースギルドの第二攻撃隊に「荷物持ち」として参加することになる。

旬ほどの実力者がなぜそんな役割を引き受けたのか——その裏にはある理由があった。

この遠征は、一見するとそれほど危険なものではなかった。

C級ダンジョン攻略が目的であり、ギルド側も余裕を持って編成を行っていた。

しかし、旬は何かが引っかかっていた。

「妙に気になる…本当にC級のダンジョンなのか？」

彼の直感は正しく、ダンジョンに入った瞬間、異様な気配を感じ取るのだった。

なぜ旬が荷物持ちとして同行することに？

水篠旬がハンタースギルドの第二攻撃隊に「荷物持ち」として参加することになった理由は単純だった。

彼は、ハンターとしての表向きの活動をまだ控えていた。

自らの力をあえて伏せ、必要な情報を集めるためにこの遠征に加わったのだ。

ギルド側も、旬の戦闘能力について詳しくは知らなかった。

彼がE級ハンターだったという過去の記録を持っていたため、戦闘要員としての期待はされていなかった。

「雑用係として連れていくにはちょうどいい」

そう判断したギルドの幹部たちは、彼を荷物持ちとして編成に加えた。

しかし、旬自身はそれを特に気にしていなかった。

「肩慣らしにはちょうどいいかもしれない」

だが、彼もまだ知らなかった。

この遠征が、想像を絶する惨劇へと変貌することを——。

ダンジョン侵入直後に感じた異変

ハンタースギルドの第二攻撃隊がダンジョンへ足を踏み入れた瞬間、水篠旬は異様な空気を感じ取った。

通常のC級ダンジョンなら、もっと単純な構造になっているはずだった。

しかし、このダンジョンは異常なほど広く、まるで「何か」を隠すために作られているかのようだった。

「おかしい…」

旬は立ち止まり、周囲の気配を探る。

影の力を使えば、通常のハンターでは感じ取れない危険を察知することができる。

そして、すぐに気づいた。

「これは、C級じゃない」

ダンジョン内部には、通常のC級モンスターのものではない強大な気配があった。

「まるで…何かがこちらを監視しているような…」

だが、他の攻撃隊のメンバーたちは何も感じていなかった。

「おい、何やってる？ さっさとついてこい」

彼らは、旬の警戒を無視し、奥へと進んでいった。

そして、その選択が最悪の結果を招くことになるのだった——。

ハイオークの奇襲—圧倒的な戦力差

ダンジョンを進んでいたハンタース第二攻撃隊は、突如として異様な殺気を感じた。

次の瞬間、暗闇の中から巨大な影が飛び出してきた。

それは、通常のオークとは異なる存在——ハイオークだった。

「なんだ…あれは…！？」

攻撃隊のメンバーが動揺する間もなく、ハイオークの一団が圧倒的な速度で襲いかかる。

通常のオークとは比べ物にならない知性と戦闘能力を持つ彼らは、完全に組織化された動きで攻撃隊を包囲した。

「C級モンスターじゃない…！」

リーダー格のハンターが叫ぶ。

だが、気づいた時にはすでに遅かった。

ハイオークの剣が振り下ろされ、最前線にいたハンターが一瞬で両断される。

「ぐぁっ…！！」

その鮮やかな殺戮を見て、攻撃隊のメンバーは一気に恐怖に支配される。

水篠旬は、一歩後ろからその光景を静かに見つめていた。

「これは…ただの襲撃じゃない」

彼はすでに理解していた。

このダンジョンは、罠だったのだ。

攻撃隊が次々と倒される惨劇

ハイオークの圧倒的な攻撃力により、攻撃隊の陣形は一瞬で崩壊した。

前衛のハンターたちは斧の一撃を受け、血しぶきを上げながら吹き飛ばされる。

「くそっ！こんなの、D級のダンジョンじゃない！」

絶叫する隊員たちの声が響く中、次々と命が奪われていく。

一人のハンターがハイオークの巨腕に捕まり、宙に持ち上げられると、無情にもそのまま地面に叩きつけられた。

彼の体は鈍い音を立てて折れ、そのまま動かなくなる。

「無理だ…逃げなきゃ…！」

生存本能が働いたのか、何人かのハンターが退却を試みる。

しかし、その動きはハイオークたちにとっては好都合だった。

背を向けた瞬間、彼らは容赦なく襲いかかり、退路を断つ。

隊長の外園が必死に号令をかける。

「全員、守りを固めろ！バラバラに動くな！」

だが、その声は絶望に掻き消されていく。

攻撃隊はすでに壊滅の一歩手前だった。

絶体絶命の撤退戦—封鎖された出口

ハイオークの猛攻により、攻撃隊はすでに壊滅状態だった。

生き残ったメンバーも深い傷を負い、戦える者はほとんどいない。

隊長の外園は、これ以上の戦闘は不可能と判断し、撤退を決断する。

負傷者続出、撤退を試みる攻撃隊

「ゲートまで退却する！動ける者は負傷者を連れていけ！」

外園の指示のもと、ハンターたちは出口に向かって走り出した。

しかし、ハイオークたちは簡単に逃がしてはくれなかった。

「ぐああっ！」

背後から投げられた巨大な戦斧が、撤退しようとしたハンターの体を両断する。

血が飛び散り、仲間の死に恐怖を覚えながらも、彼らは必死に出口を目指す。

「もう少しだ…！」

目の前には唯一の脱出経路であるゲートが見えてきた。

しかし、その希望は一瞬で打ち砕かれることになる。

ゲートに張られた結界—脱出不可能!?

必死の思いで出口までたどり着いた攻撃隊だったが、そこには見えない壁が立ちはだかっていた。

「な、なんだこれは!?」

隊員の一人がゲートに手を伸ばすが、透明な壁に弾かれる。

それはまるで、ダンジョンそのものに閉じ込められたかのようだった。

「まさか、結界か……？」

外園が歯を食いしばる。

ゲートは通常、出入りが自由なはずだった。

しかし、今目の前にあるのは何者かの手によって封鎖された異常な状態だった。

「どうすれば……！？」

焦りと恐怖が広がる中、ハイオークたちが再び迫ってくる。

「このままじゃ……皆殺しにされる……！」

絶望が広がる中、一人冷静に状況を見つめる男がいた。

水篠旬だった。

彼の目は、ゲートに施された魔法の構造を見抜こうとしていた。

「……なるほどな」

彼は小さく呟きながら、ゆっくりと前に歩み出した。

まとめ：『俺だけレベルアップな件』第17話のポイント

『俺だけレベルアップな件』第17話では、ハンタース第二攻撃隊が予期せぬ戦場へと足を踏み入れることとなった。

当初はD級ダンジョンの攻略と思われていたが、そこには想像を絶する脅威が潜んでいた。

その中で、旬が持つ異常な感覚や、戦場での立ち回りが際立つエピソードとなった。

• 旬が荷物持ちとして攻撃隊に同行することに
• ダンジョン侵入直後に異常な気配を察知する
• 強敵ハイオークの奇襲により、攻撃隊が壊滅寸前に
• 満身創痍のまま撤退を試みるも、ゲートが結界で封鎖される
• 絶望的な状況の中、旬だけが冷静に突破口を探る

このエピソードは、旬の成長と彼が持つ異質な力がより鮮明になる重要な回である。

また、戦闘の迫力と絶望感が際立ち、読者を引き込む展開となっている。

次回、旬はこの危機をどのように乗り越えるのか――期待が高まる終わり方だった。