『薬屋のひとりごと』第35話「狩り」壬氏に迫る陰謀と猫猫の危機！

『薬屋のひとりごと』第35話「狩り」は、壬氏に同行して猫猫が後宮を離れ、子北州での狩猟に参加するという異色のエピソードです。

しかしその旅路は平穏なものではなく、仮面と偽名で身を隠す壬氏、そして暗躍する陰謀の気配が次第に明らかになっていきます。

この記事では、猫猫が直面する危険、壬氏の行動の裏にある真意、そして宴の裏で進む謎の計画について、ネタバレありで徹底解説していきます。

なぜ猫猫と壬氏は狩りに同行したのか？

第35話「狩り」は、猫猫と壬氏が後宮を離れて“子北州”へと赴く、これまでにない舞台設定から始まります。

表向きは楼蘭妃の父である子昌からの招待による狩猟会への同行ですが、その裏ではさまざまな思惑が交錯していました。

猫猫が感じ取った小さな違和感は、やがて大きな陰謀の影へとつながっていくのです。

楼蘭妃の父・子昌からの招待の背景

楼蘭妃の父・子昌は、帝と妃のつながりを政治的に利用することを狙っている実力者です。

その彼が開催する狩りの場に壬氏を招くという行動は、単なる親族としての礼儀ではなく、壬氏の動向を探る意図が透けて見えます。

同行する猫猫にとっても、ただの付き添いでは済まされない旅の始まりでした。

壬氏が仮面と偽名を使った理由とは？

狩りの間、壬氏は顔を隠す仮面と“南廷”という偽名を使って身分を偽ります。

それは自身の正体を知られぬようにするための配慮でありながら、自らを狙う者の存在を警戒しての行動でもありました。

後宮内では美貌の宦官と評判の彼が、地方の宴で素顔を見せることは、大きなリスクを伴うのです。

猫猫が感じた違和感と警戒心

猫猫は旅の初めから、壬氏たちの行動や招待の背景に違和感を抱いていました。

なぜ壬氏がここまで徹底して身を隠すのか？ なぜ子昌の招待に応じたのか？

さらに現地の空気、侍女や従者たちの態度にも、猫猫の観察眼は細やかに反応していきます。

この旅がただの“狩り”で終わらないことを、猫猫の直感は確かに捉えていたのです。

宴の裏で進む陰謀の正体を読み解く

豪華な料理と音楽が流れる宴の裏では、明らかに“何か”が動いている気配が漂っていました。

子北州に集まった客人たちの中には、壬氏の正体に迫ろうとする者も存在し、空気はどこか緊張感をはらんでいます。

その裏側に潜む陰謀に、猫猫と壬氏は気づき始めるのです。

子北州での宴に集まった面々の思惑

宴に参加していたのは、子昌に連なる文官や武人たち、そして各地の有力者たちでした。

彼らの会話や視線からは、明らかに壬氏に興味を示す様子が見え隠れしています。

特に壬氏が仮面をつけていることに過剰に反応する者もおり、“身元を暴こうとする意図”が浮かび上がってきます。

壬氏の正体に迫る者の存在

宴の中で、猫猫はある男の視線に気づきます。

それは、他の者とは違い、壬氏の仕草や声、さらにはわずかな表情の動きから“正体を探るような意図”を感じさせる鋭さでした。

壬氏が仮面を外せない理由、そしてその裏に潜む危険を、猫猫は静かに察知していきます。

この宴は、単なるもてなしではなく、壬氏という存在の“真価”を測る場でもあったのです。

猫猫の観察力が活きた異郷での推理

後宮という閉ざされた世界から離れた“子北州”の地でも、猫猫の観察眼は健在でした。

慣れない環境、見知らぬ人々の中にあっても、彼女は細やかな違和感を拾い上げ、事の本質に迫ろうとします。

その冷静な視点こそが、壬氏と自身の危機を未然に察知する鍵となったのです。

いつもと違う環境での猫猫の洞察力

薬草や香の違い、衣服の色、食材の扱い方――。

猫猫はどんな場面でも、自身の専門知識と観察力を駆使して状況を見極めます。

狩猟の拠点で使われていた香の成分や、宴席での毒物の気配など、周囲の者が気づかない異変にいち早く反応するのです。

日常の中に潜む不穏な気配を読み解く

とくに猫猫が注目したのは、宴で供された“ある食材の扱い方”でした。

その調理法や香辛料の選び方に、意図的な“隠し味”があることを見抜いた猫猫は、それが薬学的な作用を狙ったものだと気づきます。

誰かが“無自覚な毒”を仕掛けているのではないかという推理が、壬氏に迫る陰謀の存在を裏付けるのです。

高順・馬閃との関係が深まる旅の中で

この狩りの旅では、壬氏だけでなく、高順や馬閃と猫猫の関係にも変化が訪れます。

普段は後宮の外で顔を合わせることの少ない二人との交流が、猫猫にとって新たな視点と感情をもたらすのです。

彼らの人となりが垣間見えることで、旅の物語はより厚みを増していきます。

壬氏の護衛としての馬閃の役割

馬閃は壬氏の護衛役として常に冷静で、言葉少なに任務を遂行する男です。

今回の旅でもその役目を忠実に果たす姿が印象的ですが、猫猫の存在にはやや過敏な反応を見せる一幕もありました。

そんな馬閃に対し、猫猫は相変わらずマイペースながらも、彼の行動から“忠義と不器用さ”を感じ取り始めます。

猫猫が知る高順の父としての顔

高順は壬氏の側近として厳格な印象がありますが、今回は意外な一面が描かれます。

旅の中で見せた何気ない会話や態度から、彼が娘を持つ“父親”としての側面を猫猫は垣間見るのです。

普段は無表情に徹している彼の、わずかな表情の変化や言葉の選び方に、猫猫は“人としての温かみ”を感じ取り、密かに驚きを覚えます。

薬屋のひとりごと第35話「狩り」まとめ：猫猫と壬氏に迫る影の正体とは？

狩りという非日常の中で展開された第35話は、旅情と緊張が交錯する濃密なエピソードでした。

猫猫の観察力、壬氏の用心深さ、そして宴の裏に蠢く陰謀――。

物語はただの旅を超え、国家や身分を巻き込む謎へと発展し始めています。

旅の先に待ち受けるさらなる事件の兆し

今回の狩猟会では、まだ明らかにされていない多くの伏線が散りばめられています。

壬氏の正体に迫る者の影、そしてそれに気づいた猫猫の直感。

旅の終わりが事件の始まりであるかのような、静かな不穏さが漂っています。

次回「華瑞月」で明かされる真相に注目

次回予告として語られる「華瑞月」という名は、新たなキーパーソンの登場を予感させます。

壬氏と猫猫が再び試される場面が近づいていることは間違いなく、読者としても目が離せません。

第35話はその序章であり、物語の深層へと潜っていく導入となる重要な一話でした。